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有志の会からのメッセージ

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#専門家有志の会

オミクロン株の急激な流行を防ぐための年末年始の過ごし方

寒さが深まって、年末が近づいてきました。 年末年始は帰省や旅行をする方もおられると思いますが、「オミクロン株」の報道もよく見聞きするようになりました。そこで、「オミクロン株」について現時点でわかっていることと、年末年始の過ごし方のコツをお伝えします。 油断ならない「オミクロン株」 「オミクロン株」について、 まだわかっていない点も多くありますが、以下のような特徴が報告されています。 「オミクロン株」の特徴は、2日や3日で感染者数が倍になるくらい、感染拡大が速いこと

皆さんの声を聞かせてください。皆さんの力を貸してください。 #ねえねえ尾身さん

有志の会の尾身です。 この1年半以上の間、世界中が新型コロナウイルスと戦ってきました。 目覚ましい研究の成果があり、重症化予防に有効なワクチンが実用化し、治療法も日々進化しています。 しかし、急激に感染が拡大し、感染者数や重症者数が高止まりになっている都市部では、新型コロナ以外の医療や他の病気の患者さんにも深刻な影響が出ています。 マスク装着、こまめな手洗いや換気、人との距離の確保、ワクチンの接種などの基本的な感染防止策によって、感染拡大リスクを下げることができます。こ

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に伴う新型コロナウイルス感染拡大リスクに関する提言

2021年6月18日、政府の新型コロナウイルス感染症対策に助言をしてきた尾身茂氏ら感染症の専門家有志が、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、政府等に、大会開催に伴う感染拡大及び医療逼迫を招かないための提言書を提出しました。提出者は次の通りです。 阿南英明 今村顕史 太田圭洋 大曲貴夫  小坂 健 岡部信彦 押谷 仁 尾身 茂 釜萢 敏 河岡義裕 川名明彦 鈴木 基  清古愛弓 高山義浩 舘田一博 谷口清州  朝野和典 中澤よう子 中島一敏 西浦 博  長谷川秀樹 古

オリンピック・パラリンピックの際の感染対策を涵養する報道様式についての要望書

2021年6月18日、新型コロナ専門家有志の会は、日本新聞協会及び日本民間放送連盟宛に「オリンピック・パラリンピックの際の感染対策を涵養する報道様式についての要望書」の申し入れを行いました。要望書本文をnoteとして公表します。 要望書のPDF版はこちらよりご覧いただけます。 また、同日、政府の新型コロナウイルス感染症対策に助言をしてきた尾身茂氏ら感染症の専門家有志が、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、政府等に、大会開催に伴う感染拡大及び医療逼迫を招かないための

新型コロナのワクチン:複数の情報源を読んでみよう

変更履歴: ・内閣官房「新型コロナワクチンについて皆さまに知ってほしいこと」2021年4月6日版 →2021年5月26日更新版にPDFリンク修正(2021年5月30日 10:30) →2021年7月更新版にPDFリンク修正(2021年8月8日 17:00) ・コロワくんサポーターズサイトを追加(2021年5月30日 20:45) 2月17日から医療従事者向けの新型コロナのワクチン接種が開始されましたが、いよいよ、4月12日からは一部の自治体で高齢の方向けの接種が始まります。

自費で新型コロナ検査を受ける方へ:申し込む前に確認したいポイント

海外渡航先や出張、介護施設の入居の前などに、新型コロナの検査を受けるように求められることがあるようです。 このような目的の場合、自己負担で実施する検査(自費検査)を受けることになります。 今回は、自費検査を受ける必要が生じたときにぜひ確認しておきたいポイントについてお伝えします。 自費検査は、どこで何を受ければいいの? まず、求められている新型コロナの検査の種類を確認してください。特に、海外渡航の場合、必ず、渡航予定先の日本国大使館・領事館や各国当局のホームページなどで

感染リスクが高まる5つの場面

本記事は、10/12付note記事「感染リスクを高める7つの場面」の内容を更新するものです。 新型コロナウイルス感染症対策分科会(2020年9月25日、第10回)では、感染リスクを高める7つの場面を提言しました。その後、各自治体へのヒアリングなどを通して、クラスターの分析がさらに進んだことから、「5つの場面」に整理されました(2020年10月23日、第12回)。  感染リスクが高まる「5つの場面」 (新型コロナウイルス感染症対策分科会 「5つの場面」に関する分科会から

感染リスクを高める7つの場面

※この情報は更新されています。最新版は「感染リスクが高まる5つの場面(11/1)」をご参照ください。 政府が新型コロナで打撃を受けた各業界を支援する事業「Go To キャンペーン」は、観光と飲食店に加え、イベントや商店街を支援する取り組みも、もうすぐ始まります。段階的に、日常生活を取り戻し、地域を超えた人の移動も増えるようになりました。 社会経済活動と感染防止の両立が求められる中で、新型コロナウイルス感染症対策分科会(2020年9月25日、第10回)では、地域を超えて感

新型コロナのワクチン開発の現状と、接種の考え方

新型コロナウイルス感染症のワクチン開発について、関心がある方も多いのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症対策分科会では、ワクチン接種の考え方について議論が始まりました。この記事では、第6回(2020年8月21日)の分科会で議論された主な内容について、お伝えします。 ワクチン開発の現状について ワクチンは、ある病原体やウイルス(あるいはその遺伝情報)を使ってつくられます。予防のためにワクチンを接種することによって、体内でその病原体やウイルスに対する抗体をつくりだし、

感染防止対策と社会経済活動を両立させるために

政府の基本的対処方針(5月25日更新)や都道府県向け事務連絡(5月25日付)で示された「移行期間」は、段階的緩和の3つ目のステップに入りました。外出自粛やイベント開催の制限が少しずつ緩和され、徐々に社会生活を取り戻しつつあります。 しかしながら、都市部を中心に、再び感染者数が増えています。そこで、ここであらためて、これまでの記事でお伝えしたことの更新点などを、お伝えします。 この記事でお伝えしたいこと  ・基本的な感染防止策を続けよう  ・PCR検査と抗原検査は組み合

#みんなで考えよう 専門家×報道機関  「プライバシーを守りながら安心感を取り戻していくために」(第2回意見交換会)

 今回の #みんなで考えよう では、「社会が感染者のプライバシーを守りながら、どうやって安心感を取り戻していくか」をテーマに、報道機関と有識者の意見交換会の内容の一部を紹介します。前回は「正しく恐れ、人をいたわる」という観点から、感染症に関するマスメディアやSNSの情報との向き合い方を検討しました。この記事では、2020年5月15日に行われた専門家と報道関係者の2回目の意見交換会を踏まえ、前回からもう一歩踏み込んで「ネット上の個人特定」や「個人情報の公表基準」、「新しい報道の

次なる波に備えた専門家助言組織のあり方について(記者会見発表内容)

2020年6月24日、日本記者クラブにおいて、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の脇田隆字氏、尾身茂氏、岡部信彦氏が、構成員一同を代表して、これまでの活動を総括するとともに、今後の感染拡大のリスクに備えて、新たな専門家助言組織のあり方を提案するため、記者会見を行いました。 会見した3名は、コロナ専門家有志の会メンバーでもあります。より多くの方に知っていただき、共に考えていただきたいとの思いから、会見時に使用されたスライドと提言書本文を組み合わせて構成しました。ノーカット

#みんなで考えよう 専門家×報道機関  「正しく恐れ、人をいたわる」社会の実現に向けて(長文記事)

 2020年5月21日に、一般社団法人日本新聞協会と一般社団法人日本民間放送連盟により「新型コロナウイルス感染症の差別・偏見問題に関する共同声明」が公表されました。この共同声明は、同年4月24日に4名の研究者から両団体に提出された要望書を受けて設置された「新型コロナウイルス感染症の差別・偏見を防ぐための合同ワーキンググループ」の議論を経てまとめられたものです。「新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会」は、このワーキングループの議論に加わる機会を与えていただきました。本

新型コロナの感染状況の調査はどうなっているの?

前回の記事では、「抗体」の意味と課題について、お伝えしました。今回は、「抗体保有率」の落とし穴、「抗体検査キット」の性能の課題をお伝えします。 国内の感染状況を確かめるための「抗体検査」 新型コロナは、感染していても、自覚症状のない人がたくさんいます。そのため、どのくらいの人が感染したのかを知ることが難しいのです。どの国でも、正確に把握していません。 そこで、「抗体検査」を用いて、「どのくらいの人が既に感染したか」を推測する調査が、海外や日本で始まっています。