全世代の皆さまへ ~2021年に向けて~有志の会からの感謝と決意のメッセージ
有志の会の尾身です。2020年4月にこの活動を発足させて以降、有志の会メンバーは、それぞれの持ち場で対策に尽力しつつ、不定期ながら情報発信に努めてきました。皆様には私たちの活動をご支援くださり、本当にありがとうございます。
私が4月5日に初めて書いた記事で、「日本がこれまで、諸外国に比べて感染拡大を緩やかに抑えてこられたのは、皆様のご協力があったからこそです」と述べました。
私は今も全く同じ気持ちを持っています。有志の会を代表して、これまでの皆様のご協力に深く感謝を申し上げます。
思えば、緊急事態宣言が発せられた際には、皆様には大変なご負担をおかけしました。しかし、この期間に、私たちは感染を抑えるために様々な分析を行うことができました。また、夏から秋にかけては、社会経済活動の段階的な再開を通じて、感染対策との両立を試みることになりました。
しかし、いま、全国的な感染拡大を制御できないまま、年末を迎えています。
もう一つ、私が4月5日に書いたのは、「私たちが考える『行動変容』がさらに浸透すれば、感染拡大を収束に向かわせることができると信じています」ということです。
このこともまた、今と全く同じ気持ちです。「新型コロナは自分とは関係ない」、「新型コロナはただの風邪だろう」と思っておられる方々にも、いま一度、感染対策に関心を寄せて頂きたいと思います。特に、「食事の際の会話」に十分ご注意頂きたいです。最近、新型コロナの「急所」として急浮上しているのが食事の場面です。飲酒の有無、昼夜・場所にかかわらず、感染が生じやすい場面です。家族・いつもの仲間5人以内で、すいている場所で、静かに召し上がって下さい。おしゃべりするときはハンカチやマスクを使ってください。こうしたことが、自分や他の人の命を守ることにつながります。
最近、保健所や医療機関の逼迫を解消するためには、人々に行動変容を求めるのではなく、新型コロナを季節性インフルエンザと同じ扱いに変更すればよいのではないかという意見を耳にします。季節性インフルエンザと同じ扱いになると、現在は国が負担している検査や入院の費用に自己負担分が発生します。積極的な検査は行われなくなり、流行状況の把握も大まかなものに変わります。つまり、流行状況を制御する手段が失われ、ワクチンや特効薬もない中で感染対策が全て個人に委ねられることを意味します。恐らく重症患者や死亡者が増える可能性は高まるでしょう。
先々のことを考えれば、こうした議論をすることは大切だと思います。新型コロナに適した制度の創設を考える必要もあるでしょう。でも、今は感染拡大を抑え、下に向かわせることが最優先です。なぜなら、今の感染拡大状況では、正月休みが終わって社会経済活動が再開した後、さらなる感染拡大を招き、その収束には数ヶ月間を要する可能性が高まっているからです。医療提供体制を増やしても感染拡大のスピードに追いつきませんし、一般の診療や社会経済活動への悪影響も長期化する恐れがあります。
コロナとの闘いには必ず終わりがあります。有志の会はこの闘いの先には明るい未来があることを信じ、来る年も、皆様と連帯していきたいと考えています。この闘いを短期間に終わらせ、明るい未来を勝ち取りましょう。
どうかよいお年をお迎えください。
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感染拡大を防ぐために役立つ動画をはじめ、政府や自治体による助成金・支援金制度の詳しい情報は内閣官房「新型コロナウイルス感染症対策」のウェブサイトへ。
接触確認アプリ(COCOA)やワクチン等の情報は、厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」のウェブサイトへ。
クラスター対策に関する詳しい情報は新型コロナクラスター対策専門家( @ClusterJapan)へ。