自費で新型コロナ検査を受ける方へ:申し込む前に確認したいポイント
海外渡航先や出張、介護施設の入居の前などに、新型コロナの検査を受けるように求められることがあるようです。
このような目的の場合、自己負担で実施する検査(自費検査)を受けることになります。
今回は、自費検査を受ける必要が生じたときにぜひ確認しておきたいポイントについてお伝えします。
自費検査は、どこで何を受ければいいの?
まず、求められている新型コロナの検査の種類を確認してください。特に、海外渡航の場合、必ず、渡航予定先の日本国大使館・領事館や各国当局のホームページなどで最新の情報を確認しましょう。
自費検査は、公費での検査(行政検査)と比べて、とても緩やかに運用されています。そのため、厚生労働省は、自費検査に関する留意事項(11月24日付)を示しています。自費検査を利用される方は、検査の限界を含めて十分情報を得たうえで、納得して検査を受けてください。
以下で、自費検査を受ける前に確認したい、2つの柱をご説明します。
1.検査機関が情報公開すべきこと
厚生労働省は、自費検査を提供する機関がホームページなどで公表すべき事項として、12項目を示しています。
(例:検査の方法、検査費用、医師による診断の有無、結果が陽性の際の提携医療機関の有無など)
検査機関を選ぶ時には、これらの項目をしっかり確認して、信頼できる機関を選びましょう。一見、地味ですが、「12. その他」に含まれている精度管理の項目は、提供される検査の質を示す情報なので、必ず確認しましょう。
1.検査を提供する医療機関・検査機関の名称、住所等の基本情報、問い合わせ先
2.自費検査であることと検査費用
3.検査分析、検体の配送等の検査費用に含まれるサービスの内容
4.検査を提供する機関の種類(医療機関・衛生検査所・その他)
5.医師による診断が行われるか
6.医師の診断がない場合、陽性の際に診療を受けられる提携医療機関の有無
7.海外渡航用の陰性証明書が発行できるか
8.検査方法(PCR法、抗原定量検査等)
9.検体の採取方法 (だ液や、鼻やのどの奥のぬぐい液など)
10.検査にかかる時間
11.検査の実施数
12.その他、以下の該当項目がある場合にはその旨を明示すること
● 検査方法が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針」に準拠したものである場合
●精度の確保にかかわる責任者を配置している場合
●精度の確保にかかわる標準作業書・日誌などを作成している場合
● 検査機関が自ら精度管理を行っている場合
● 検査機関が第三者による精度管理を受けている場合
● 検査方法(検体採取・保管・輸送・分析の方法)に関する書面の交付がある場合
2.自費検査を受ける方への説明
厚生労働省は、自費検査を受ける方が、次の5項目について説明を受ける必要があると述べています。
以下の説明を聞いてから、検査を受けるかどうかを決めて下さい。
①発熱や咳などの症状がある場合は、身近な医療機関に相談する必要がある
症状がある方は、公費での検査(行政検査)の対象となります。かかりつけ医やお近くの相談窓口に相談してください。
②結果が陽性の場合に、受診相談センター等に相談する必要がある
医師の診断を伴わない自費検査で結果が陽性の場合は、受診相談センターまたは身近な医療機関への相談が必要になります。身近な医療機関を受診する場合、事前に電話しましょう。相談の結果、医療機関で再度検査が必要になる場合があります。
③医師により新型コロナの感染を診断された場合、医師が届出を行う
医師の診断を伴う自費検査で新型コロナに感染していると診断された場合は、医師が感染症法に基づき、保健所等に届出を行います。
④偽陽性・偽陰性の可能性がある
検査には、本当は感染していないのに陽性と結果が出る「偽陽性」と、本当は感染しているのに陰性と結果が出る「偽陰性」があります。
⑤検査結果は、検査時点での感染状況に関するものである
検査結果は検体を採取した時点での感染状況を示すものです。陰性でも、感染早期のためウイルスが検出されていないだけの可能性があります。また、検査後にも感染の可能性があります。
最後に
たとえ新型コロナの自費検査を受けて、検査結果が陰性だった場合も、検査には偽陰性などの限界があるため、新型コロナに感染していないと断言することはできません。また、検体採取後に新型コロナに感染する可能性もあります。
結果に安心することなく、移動中や渡航先でも、ガードは下ろさず、基本的な感染防止策を心がけましょう。
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