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新型コロナにおける入院措置の対象が変わりました


専門家有志の会の齋藤です。

「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令の一部を改正する政令」が公布されました(10月24日から施行)。 

これにより、新型コロナの患者さんに対しての「感染症法による入院措置」(以下、入院措置)の対象が、今までよりも限定的になります

今回は、入院措置の対象の変更点について、ポイントをお伝えします。

(本記事は、私の個人note記事(10月15日)の要約版です。よろしければ、元の記事もご覧ください。)

入院措置の対象、どう変わる?

今回の変更により、新型コロナの患者さんのうち、入院措置の対象となる方は、おもに以下に限定されることになりました。

① 無症状や軽症の場合:
  主に65歳以上の高齢者や基礎疾患(※1)のある方、妊婦
② 症状が中等度、重症の方

※1
 呼吸器疾患、腎臓疾患、心臓疾患、血管疾患、糖尿病、高血圧症、肥満、その他の理由により臓器の機能が低下しているおそれがある方、抗がん剤の使用などの理由により免役機能が低下しているおそれがある方、など

とは言っても、実際には、「これまでの運用から大幅に変わる」というわけではありません

なぜならば、①・②以外の「入院措置の対象とならない方」は、現在も、宿泊施設または自宅で療養/待機(※2)いただく場合もあるからです。無症状や軽症、濃厚接触といった場合でも、周囲の人に感染させないために、人との接触機会を一定期間避ける行動が求められます。

※2 基本的には、宿泊施設での療養となります。

参考:  「新型コロナウイルス感染症の感染症法の運用の見直しに関するQ&A」 Q6 (p.5) 
「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」(令和2年4月2日付け事務連絡)

入院措置の対象でなければ、入院できないの?

「①②に当てはまらなかったら、全く入院ができないのでは」と不安に思った方や、「入院しなくて済むの」と思われた方もいるかもしれません。

でも、そうではありません。

医療上の観点、そして新型コロナのまん延防止上の観点から、一定の裁量が残されています。医師や自治体が必要と判断すれば、入院措置の対象となることもありえます

入院措置の対象_緑図1

なぜ、今回、入院措置の対象が変わったの?

8月28日、政府対策本部により、「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」が示されました。

その中で、入院措置についても運用の見直しが提起されました。見直しのポイントは、以下の通りです。

新型コロナのまん延防止を図る
保健所や医療機関の負担の軽減や病床の効率的な運用をさらに図る
→ この2つの目的のために、医療資源を重症者に重点化していく

季節性インフルエンザの流行期も見据え、感染症法に基づく権限の運用について、政令改正も含め、柔軟に見直しを行っていく

これを受けて、以下の組織で議論が進められ、政令の改正に至りました。

「指定感染症としての措置・運用の在り方に関するワーキンググループ」
 (厚労省のアドバイザリーボードの下に設置)
厚生労働科学審議会感染症部会

まとめ

入院措置の対象は、これまでと比較すると、「限定的」になりました。

しかし、入院措置の対象とはならない無症状者、軽症者(そして濃厚接触者の方)も、一定期間、人との接触を避けるなど、周囲の方に新型コロナを感染させないための行動が引き続き求められます

入院措置の対象_まとめ

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