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指定感染症とは?

専門家有志の会の齋藤です。

最近、新型コロナの「指定感染症」の運用の見直しに向けた動きについて、報道がなされています。

そもそも、「指定感染症」とは何でしょうか。この記事では、感染症法における「指定感染症」の意味などについて、あらためて皆さんに知っていただきたいことをお伝えします。

(本記事は、私の個人note記事(8月26日)の要約版となります。よろしければ元の記事もご覧ください)

指定感染症とは?

新型コロナは、感染症法という法律の中で、「指定感染症」に指定されています。

感染症法は、患者等の人権を尊重しつつ、良質かつ適切な医療の提供を確保する目的の法律です。感染症に迅速かつ適確に対応するため、感染症を「一類感染症」から「五類感染症」、「新型インフルエンザ等感染症」、「新感染症」、そして「指定感染症」という区分が設けられ、区分に応じた措置が取られます。

これらのうち、「指定感染症」は、新しい感染症への対策を迅速に法に基づき行うために、期限付きで運用できるようにするためにつくられたカテゴリーです。新型コロナは、2020年1月28日から2021年2月6日までの期限つきで「指定感染症」となりました。

新型コロナに対する措置

「指定感染症」となった新型コロナには、その特徴を少しずつ理解しながら、 一類~三類感染症に対して行える措置のうち、必要なものを選んで組み合わせた対策が進められています。最近、新型コロナは「二類感染症相当」という報道がみられますが、より正確に言えば、「新型コロナのためにカスタマイズされた措置が定められている」という表現になるでしょう。

そのなかには、個人の権利を制限せざるを得ない内容も含まれています。
例えば、患者(症状がありウイルスが検出されている方)だけでなく、疑似症患者(ウイルスは検出されていないが症状のある方)、無症状病原体保有者(ウイルスは検出されているが症状がない方)のいずれも、設備が整えられている感染症指定医療機関(特定、第一種、第二種)に原則入院する対応が取られています。行政による勧告での入院なので、医療費の自己負担はかかりません。
また、症状のない濃厚接触者(家族など)に対しても、外出せず、自宅での健康状態を報告することが求められ、都道府県知事には、食事や物品の提供などを行う努力義務が課せられています。

ここで、おもな措置を次の表にまとめます(すべての措置を書き出しているのではありません)。

指定感染症_図

出典:第39回厚生科学審議会感染症部会(持ち回り開催)資料 資料1 新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令等の一部改正について

すべての陽性者に入院勧告しなければいけないの?

都道府県知事は、まん延を防止するために必要であれば、新型コロナで陽性となった方に入院を勧告することが原則となっています。

ただし、4月2日付の事務連絡から、無症状病原体保有者や軽症患者は、必ずしも入院勧告の対象とならず、宿泊施設等での安静・療養を行うというオプションも加えられました。さらに、臨時応急的な措置として、自宅療養も認められました

こうした対応は、地域の状況に応じて柔軟に運用されています。
感染症のまん延防止対策と、重症者の治療体制の両立を、それぞれの地域で考えていく必要があります。

指定感染症から外すとどうなるの?

最近、新型コロナを「指定感染症」から外して、季節性インフルエンザと同じ扱いにしたらどうか、という議論があります。
しかし、「指定感染症」でなくなると、新型コロナの方への行動の制限の措置(入院させる、仕事を休ませる、濃厚接触者に外出自粛要請をするなど)を行うことができなくなります。また、医師への報告義務が課せられなくなり、こまめな流行状況の把握や予測も難しくなります。

そのため、現時点で、急に季節性インフルエンザと同じ扱いに変更されると、流行状況の観測も難しくなるため、急激に感染者や重症患者が増え、医療体制を圧迫するリスクがあることも、忘れてはならないでしょう

とはいえ、次第に明らかになってきた、新型コロナの特徴や感染状況にあった措置であるかを適宜見直す議論は必要です。

新型コロナの「指定感染症」の期限は、来年2021年2月6日となっています。 今後どのような形でこの感染症と付き合っていき、何の措置をとるべきかを検討していく必要があります。また、「指定感染症」として延長するのか―その場合は準用すべき措置を再検討するのか、あるいは感染症法上のあるカテゴリーに位置付けるのか、などを考えていかなければいけません。 

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